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そうだ。
私はなんなのだろう。
『私はいらないの?』
『お前なんか俺の子じゃねぇ!』
『さっさとくたばっちまいな!!!』
「わ・・たし・・・は・・」
私は何?
死神?
それとも、別の何か?
「黒くん?どうしたんだい?」
「っ!」
近藤の声で目が覚める。
「私は・・・何者か分からない」
「自分が何者かわからない・・・?」
ずっと黙っていた斎藤が喋った。
「いえ・・・正確にはわかるんです。でも・・言っていいのか、本当にそうなのか、確信が持てないんです」
「確信がもてない・・・?」
藤堂平助がしゃべる。
「わかる方法はあります。私を、蔵の中に丸1日放っておいてください。そしたら、その質問に答えられます」
しばらく沈黙が流れた。
その沈黙を破ったのは、近藤だった。
「わかった。斎藤くん、彼を連れて行ってあげなさい」
「御意」
そう言って斎藤は立ち上がり、それを追うように黒も部屋を後にした。
+ + + +
ー斎藤・目線ー
ギィィィィィィィィィィィ
重そうな音を立てる蔵の扉をあけた。
「ここが蔵だ。ここを使ってくれ」
「・・・ここか。案外、少ないんだな」
「・・何がだ?」
「・・・死んだ奴らの量。だよ」
「!?」
何を言っているのだ?この男は。
「それにあまり汚くないし広い」
広い!?
汚くない!?
今までどんなところで生活してきたんだ!?
「ま、私はいろいろと試してみますよ」
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