1. 殺人鬼はその身の終わりをただ歌う

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「…大丈夫、ユーリシア。 僕は貴女を見捨てたりしない」 「…ありがとう、ありがとう…エリオット」 僕の腕の中で、彼女は小さく震えていた。 「…でも、違うのよ…。 私、人を…殺してしまうことに」 耐えきれないのだと、彼女はそう言って泣いた。 僕は、彼女の為ならば、誰が何人死のうと、構わないと思っている。 必要なら、その手助けすら厭わない。 ―けれど、それでは彼女は救われない 彼女の心が、壊れてしまう。 「大丈夫、いつか僕が、貴女を救ってみせるから」 結局のところ、僕に出来たのは、夜に密かに出かける彼女を、見逃すことだけだった。 (…僕は、無力なのか) 彼女の後ろ姿を見つめるだけで、何も出来ない。 そんな自分が、疎ましかった。
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