1. 殺人鬼はその身の終わりをただ歌う

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アールベルグには、稀代の殺人鬼がいる 手口は鮮やかで簡潔 深夜に現れる殺人鬼は、老若男女問わず 姿を見た者全てを殺してしまう 彼は、神出鬼没で雲散霧消 まるで幽霊(Phantom) 僕は、読んでいた新聞をばさりと投げ捨てる。 遂に、新聞までもが面白可笑しく騒ぎ出してしまった。 「…不味いな」 野次馬が、彼女の姿を見るかも知れない。 そうなっては、バレるのも時間の問題だ。 どうする、どうすれば彼女を救える。 そんな、僕が無力にも何か出来ないかと、考えていた時だった。 「エリオット様。お嬢様が部屋に来るように、と仰せです」
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