2. 望まれざる救世主

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―I 'm lonely. 青年は、不意に雨音の中に、小さな歌声を聴いた。 ―It's cold here,dark here. ―But,I can't call nobody. 初めは幻覚かと思えたその歌声は、けれど確かに青年の耳に届いていた。 青年は、歌に引き寄せられるかのように、歩みを進める。 ―I'm lonley. ―But,I can't do anything. 歌声を辿り、その歌声の源を探す。 ―Can you hear me? そして、一つの場所に行きつく。 ―Can you hear me? そこは、一見何もない。 けれど、青年にはその見えざる扉が見えていた。 ゆっくりと、その空間に手を伸ばす。
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