1. 殺人鬼はその身の終わりをただ歌う

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「…それで娘は大層怯えてしまってね。 誰かに警護を頼もうと思っていたんだが」 「私が、貴方の事を教えたのよ。 劇場前のお巡りさんに、良い人がいるって」 それから三日だった。 それは、まさに運命とも言える出来事だった。 「誰かと思えば、クロードの息子。 これは安心だと思ってねぇ」 「…ありがとうございます」 僕は彼女の家に招かれていた。 事は、ランディオットの楽屋を訪れたユーリシアが、血まみれで倒れている彼を見つけたことから始まる。 怯える娘に警護をつけたいと思いたった父親が、ユーリシアの姉から僕の話を聞いたらしい。 ただの自治警察が、警護役を任されるなど、普通はあり得ないのだが、そこには一つ絡繰りがあった。 「しかし、クロード警視の息子の君が、どうして自治警察なんかにいたのかね」 「はは…修行の為、でしょうか」
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