終わりは始まりとかそんな感じ

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この場合、パアッという表現が正しいのだろう。少女は無視されていたのが応えたのか、物凄い眩しい笑顔を魅せる。百万カラットの価値はあるね 「私の名前はね!×××だよ!」 俺に抱きつかんばかりの勢いで自己紹介をする少女。だが名前が聞き取れなかった。耳垢が溜まっているのかもしれないな 耳を一度ほじくり、彼女の顔にペタリと付ける 「ごめん。ワンモアプリン」 「え、えっとね。×××だよ」 先ほどよりはゆっくり口ずさむ様に発音したようだが、それでも不可解なほどに聞き取れない。俺の困った表情に少女も少しだけ残念そうな顔を覗かせる 「名前、もうないかも」 「そっか」 少女。本来なら幼女と言っても差し支えない、齢12歳程度の少女の白い眼からキラキラと煌めく硝子の様な涙が浮かぶ。俺か。俺が悪いのか‥‥? 「ふわふわして、今にも消えちゃいそうだな」 口に出す必要は無かったがなぜだか自然と出て来た 「淡雪みたい」 少女は俺の言葉にピクリと反応したのか、アホ毛が目玉の親父の息子さんの髪の毛並にバリさん動いている 「それ、私の名前?」 「え?い、いや。違うぞ。これはだな」 「違うの?」 露骨にシュンと顔も髪の毛もうな垂れる。ええい、ままよ! 「名前が無いと不便だからね。淡雪ちゃん!」 「うん!」 とても嬉しそうに笑う彼女に俺は名前をプレゼントしてやった。見ず知らずの子供に名前をあげるとか、チャイルドだろう? 「ありがとう、×××!」 で、俺の名前もノイズが掛かったかのように聞き取れないのはどういう事さね。もしや、掛かってるのは規制なの?青少年有害情報規制法が概念化してロリータと関わることすら無理になったとでもいうの? そんな道理、私の無理でこじ開ける 「どういたしまして。お礼にこの場所がどこか教えてくれないかな?」 淡雪ちゃんは少しだけ、此方の顔を伺い言葉を選んでるのかたどたどしく言葉を紡ぐ 「ここはね。世界の乗り換え地点だよ」 「‥‥‥」 あん?いまなんて?
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