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街の名前などとうに忘れた。
そんな街にひっそり建つ監獄のお話──。
4階建ての四角い建物を中心に、左右対象に3階建てが立ち並ぶ。
くすんだ灰色の壁。
長い年月が経ち、所々コンクリートがむき出しになっていた。
広くも狭くもない、
木どころか緑さえあまり見受けられない庭に建っている。
監獄者が逃げるのを一切許さないとでもいうように、
建物の回りには尖った針金が張り巡らされているだけで何も置かれていない。
唯一あるといえば
監獄に勤める者の移動車くらいだろうか。
おそらく監視が行き届くようにするためだろう。
そんな所に少女:リオは働いていた。
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