【Ⅰ】そして多くを失った…

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戦争。 戦争とは何の為にある? 僕には分からない。 なぜ争う、そして殺し合う? 僕等兄弟は親を亡くした。 父は喜んで戦火へ身を包んだ。 母は朝起きると敵軍にやられたのだろう、玄関で腕と足と体をバラバラにされて死んでいた。 首は台所の流しで散らばる生ゴミと転がっていた。 僕等は敵軍から逃げる。 走って走って…そして疲れた。 そして町に隠れて住み着いた。 毎日ゴミ箱から猫の様に食事をあさり、命を繋ぐ。 しかしそんなある日、兄が病気にかかった。 『レリエム‼』 『落ち着け…俺は大…丈夫だ…』擦れる意識の中、レリエムは弟のエリムの頭を優しく撫でる。 『また…そんな顔…し…て…』 兄が微笑む。 『笑っ…て…ろ…』 その僅か一時間後、レリエムは弟以外の誰にも気付かれずに息を引き取ったのだった…。 夜が長い。 俺は何年此処にいるんだろか…。此処は何処なんだろうか…。
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