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戦争。
戦争とは何の為にある?
僕には分からない。
なぜ争う、そして殺し合う?
僕等兄弟は親を亡くした。
父は喜んで戦火へ身を包んだ。
母は朝起きると敵軍にやられたのだろう、玄関で腕と足と体をバラバラにされて死んでいた。
首は台所の流しで散らばる生ゴミと転がっていた。
僕等は敵軍から逃げる。
走って走って…そして疲れた。
そして町に隠れて住み着いた。
毎日ゴミ箱から猫の様に食事をあさり、命を繋ぐ。
しかしそんなある日、兄が病気にかかった。
『レリエム‼』
『落ち着け…俺は大…丈夫だ…』擦れる意識の中、レリエムは弟のエリムの頭を優しく撫でる。
『また…そんな顔…し…て…』
兄が微笑む。
『笑っ…て…ろ…』
その僅か一時間後、レリエムは弟以外の誰にも気付かれずに息を引き取ったのだった…。
夜が長い。
俺は何年此処にいるんだろか…。此処は何処なんだろうか…。
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