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―次の日―
息次の部屋にはとても綺麗な着物があった。
「うわぁ…凄い…」
僕が眺めていると息次が言った。
「それは壱が着る花嫁衣装だよ」
「…えぇっっ」
僕は驚いてとても間抜けな声をあげていた。
「壱は俺とずっといっしょにいるんだろ!?なら夫婦にならなきゃな」
そう言った息次は僕に着物を着付けた。
「似合ってる、とても綺麗だ俺のお嫁サン♪」
鏡に映し出された僕は女と言われても違和感がなかった。
「愛している、たとえ死んでも離さない…」
息次の言葉が嬉しくて、僕はこれ以上無い笑顔で
「ずっと息次を愛し続けます。ふつつか者ですがよろしくお願いします。」
と答えた。
「墓まで連れて行くから覚悟するんだな」
そう言って息次は誓いの口付けとばかりに深く熱いキスを僕に落とした。
僕らは男同士で家柄も対等じゃない。この関係はとても許されるものではないとわかっている。しかしこの後どんな困難があっても乗り越えていける。
―息次と2人ならきっと大丈夫だから―
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