act1

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そんな過去を持つ僕吉比良壱(よしひらのいち)は役人として高嶺息次(たかみねのいきつぐ)に、仕えていた。息次は、端正な顔立ちをしている上に頭も切れるので、皆からの信頼も厚い。しかしそんな息次に恋人らしき人はいない。女達からの誘いも常に断っているらしい… まぁ、あくまで噂であり僕には関係の無い事だ…と少し前まで思っていた。そう、少し前までは… ―それは思いもしない出来事から始まった―
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