85日目

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朝食を済ませたところで、皿を丁寧に洗う。 水道は使えるのだが、たまに蛇口をひねっても水が流れてこないことがあるのが難点だ。 だからといって贅沢は言ってられない。 これも人間らしい生活のためだ・・・そう、あんな《化け物》のような、醜く、卑しい「食事」とは自分は違うのだ。 いや、あんな行為は最早食事などではなく、人間が人間を《捕食》しているに過ぎない。 洗った皿を流しの横の食器乾燥機に立てる。 なんだかトウモロコシが胃から戻ってきそうだった。 食事のあと、寝室に戻り、閉めたままだったカーテンを開ける。 眩しい朝の日差しに目を細めながら、町を見下ろす。 ここは8階だ。 この部屋から見える風景は、向かいのビル。 それと、こちらのビルの間を走る道路だけだ。 勿論、人がいるはずもなく、動くものといえば、風になびく街路樹くらいなものだった。 あの《化け物》を除いては。
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