いざ舞台へ

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キーンコーンカーンコ-ン 健「っしゃあ!」 帰りの会の終了を告げるチャイムと同時に健は声をあげた。 「それじゃあ、今日はここまで。号令をお願いします。」 「起立!気を付け!礼!」 健の叫びをスルーした担任教師が学級委員に号令を促し、解散した。 健「さいならっ!」 一刻も速く帰りたい健は預けていた携帯電話を受け取ると走って教室を後にした、否。しようとした。 涼子「健!ちょっと待て。」 健「あぁ!?んだよ?」 涼子が突然彼を呼び止めた。 廊下で立ち止まると、面倒くささからか速く帰りたいからかそれなりにでかい声で返事をする。 涼子「今日は付き合ってもらいたい事がある!」 それに微塵も怯むこと無く、堂々と言い切った。 健「俺今急いでんだ。じゃ。」 男子を敵に回すような発言をした後、走り去ろうとするが… 涼子「今日発売するゲームに関してなんだがな。」 健「用事ってなんだ?」 その言葉を聞いてムーンウォークで戻ってきた。 実は涼子の父親はCOOLTHEONLINEの開発に関わる第一人者。 そんな親を持つ彼女がそう言うのだから何かプレイするにあたって得をする様な情報を得られるかも知れない。 見た目からは想像もつかないくらいにゲーム好きな彼を引き付けるには持ってこいな条件だ。 涼子「兎に角、行くぞ。」 健「OKOK。」 先程とはうってかわって素直に従う。 啓吾「…副会長さんも大変だなぁ。まぁ応援位はしてやっか。」 教室のドアに体を預けて一部始終を見ていた啓吾も中々の厨二っぷりだった。
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