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「テメェ…調子乗ってんじゃねぇぞ!!」
その怒声を気合いにして、スキンヘッドの男が動いた
右手を振り上げて拳を握ると、力任せにそれを降り下ろす。
ただの右ストレートだが、今までのやり取りを見る限り手加減はしていないだろう。
しかも狙いは顔らしく、これをまともに喰らえば相当痛い筈。
下手をすれば痛いでは済まないかもしれない。
だが彼は冷静だった。
「ッ!」
男の右ストレートを左手で受け、それを更に後ろに引く。
案の定男は前のめりに倒れてくる。
「らあッ!!」
その男の土手っ腹に渾身の膝蹴りを叩き込んだ。
「かっ!?」
満足に声も出せず、スキンヘッドの男は後ろに倒れた。
「テメェ…!」
スキンヘッドの男がやられたところを見ていなかったのか、スカジャンを着た男も隙がありすぎなパンチを繰り出す。
「シッ!!」
体をずらしてそれを避けると、アッパーを男の鳩尾に入れる
「ぐふッ…」
二人目の男もまた、崩れ落ちた。
「喧嘩ってのは相手の力量を…って、お前らには無理か。」
ガンドレッドを再びジーパンのポケットにしまいこみ、決め台詞的なものを吐き捨てると不良二人を踏みつけて裏路地を後にする。
「……あっ、ありがとうございました!」
後ろから聞こえてきた感謝の意に片手を軽く挙げて答え、その男は街の喧騒の中に消えていった…
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