174人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
(どうせなら寝ててくれればいいのに…そうすれば話もしなくてすむ。)
郵便物をキッチンのスツールみたいな椅子に置いてコートも脱がずに今開けた玄関のドアを見つめた。
今は柾生と会話したくない。そんな気分になれない。柾生とどうでもいいような会話をするのがうっとうしい。
このままもう一度外に行ってしまおうかな…
一瞬そんなことが頭をよぎったがすぐに思い直した。行くあてなんか無いし外は凍える寒さだ。
莉乃は諦めて腹をくくって洗面所に手洗いに向かった。
最初のコメントを投稿しよう!