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「お前はやっぱり特別だから。」
長身の勇人は少し首を傾げるようなちょっとかがみ込むような姿勢で香織の目を見つめた。
この眼差しにずっと昔から何度とろかされたことだろう。その魔力は今も変わらず健在だ。
(この目に何度もとろけて何度も泣かされてきたわ…)
今もまたそうと知りつつ溶かされていくことを意識しながら香織もうっとりと見つめ返した。
「そんな台詞、もう私には効き目ないわよ。」
そう言ってみるものの声で嘘だとわかってしまう。
(ズルい男…私の魂を全部持っていってしまった…)
「いろんな意味でね。格別。ビンテージ。」
勇人はくすぐるような声でくすぐるようなことを言った。
「お古ってことかしら?」
香織もくすぐられたような声で言い返す。
「青臭さもえぐみも抜けて完熟の極みって感じ。」
香織の髪にそっと触れるようにして勇人が言った。
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