迷い込んだ鳥

2/6
前へ
/33ページ
次へ
その鳥は、最後に真理沙の頭上をくるりと旋回すると開いていた窓からバルコニーへ出た。 少し前に窓を開けて掃除をしていた時、どこからか迷い込んできた鳥だった。 マンションの隣だか上下だかどこか近くの部屋で飼われていたペットの小鳥だろう。人慣れしていて逃げようともしなかった。 「どこから来たの?」 物言わぬ鳥はどこか不思議そうにも見えるきょとんとしたかわいらしい顔で首をあちこち動かしていた。 「迷子になっちゃったのね。」 鳥は相変わらず不思議そうな表情をしながらその小さな足で部屋のいたるところをひょいひょいと移動していた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

174人が本棚に入れています
本棚に追加