964人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの・・・ね、ハルくん。」
真美の声に、晴樹は顔をあげないままビクッとする。
「とりあえず、シャワー・・・使わない?」
「あ・・・うん・・・いや、真美ちゃん先輩から・・・」
「・・・うん。じゃ、先に使うね?」
真美は、ゆっくりベッドから立ち上がった。
土下座したままの晴樹の横を抜けて、バスルームに向かう。
真美が姿を消しても、晴樹は顔をあげられなかった。
先輩の彼女と一夜を共にした罪悪感、しかもそれが晴樹にとって初の女性経験。
18年間の人生の中で、晴樹はこれほど追い詰められたことはなかった。
ここは彼女の部屋で、そして彼女がシャワーを浴びている隙に逃げてしまえるほど、晴樹は無責任な人間ではなかった。
最初のコメントを投稿しよう!