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夕方から雨が降り、サークル活動も早めに終わったので、晴樹は学生寮に向かっていた。
傘をさす晴樹のポケットの中で、スマホの着信が鳴った。
メールではなく、通話になっている。
相手は『真美ちゃん先輩』との表示が。
「真美ちゃん先輩?お久しぶりっす!」
久々に声が聞けると思い、晴樹はついテンション高めで対応した。
しかし、彼の耳には真美の声が入ってこない。
「・・・真美ちゃん先輩?もしもし?」
訝しく思って何度か名前を呼ぶと、ようやく小さな声が返ってきた。
『・・・・・・ハルく・・・ごめ・・・ね・・・急に・・・・・・』
その声は、明らかに涙声だった。
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