あやまちの翌朝はボロボロ

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「・・・ハルくん・・・?」 晴樹の声に、俯いていた真美の顔があがる。 泣きはらした目が赤く、痛々しい。 「ど、どうしたんすか?って、風邪ひく!早く部屋に入って着替えてください!」 晴樹は、びっしょり濡れている真美がもうこれ以上濡れないように傘を差し出した。 代わりに、晴樹の肩に雨が当たる。 晴樹に連れられる形で、真美は自分の部屋の前まで来た。 バッグから鍵を取り出し、ドアを開ける。 真美が先に入り、続いて晴樹が靴を脱いであがった途端、真美が晴樹の胸に飛び込んできた。 「ハルくん・・・っ、私、失敗しちゃった・・・・・・っ」 しゃくりあげながら胸に顔を埋める真美を、晴樹は突き放すことも出来ず、かといって抱き締めるわけにもいかず、困り果てた。
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