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母になれた喜びと、お腹の中で日に日に大ききなっていき愛情を感じ始めていた我が子が無事に生まれた事で、恵の心は満たされていた。
涙は、後から後から、止めどなく流れてきて、喉の奥に熱い物が溢れてきた。
横から、看護師さんがハンカチを差し出してくれて、恵はそれを受け取りそっと目を押さえる。
「もうじき、逢えますからね」
「……はい」
そうしている間にも、恵のお腹を閉じる手術が続けられた。
カチャカチャという音が部屋中に響く。
暫くして、体を綺麗に拭かれ真新しい産着に身を包まれた赤ん坊が、横たわる恵の側に連れてこられた。
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