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4月になったといっても、夜中の風は頬に冷たく吹いてくる。
泣きじゃくる翼を毛布にくるみ大事そうに腕の中に抱え、家の外に出た恵は心の中に涙が溜まっている事に気付く。
(……確かに茂ちゃんは働いていて大変かも知れないけど、私にばっか押し付けなくてもいいじゃん)
翼に風がかからないように、腕の中で優しく揺らす。
「翼くん、パパはお仕事で忙しいから、泣いてばかりいるとダメなんだよ」
そんな声が聞えたのか、外の空気に気分転換が出来たのか、恵の腕の中の翼は静かな寝息を立て始める。
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