第4章 夜泣き

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. その顔をくしゃくしゃにしながら、体を捻らせて泣き声を上げる我が子に、そっと声を掛ける。 「赤ちゃんは、泣くのが仕事なんだもんね。だから、翼は、何も気にしないで良いのよ」 抱きしめた手を揺らしながらあやすと、泣き声が少しずつ小さくなっていく。 「……さぁ、そろそろお家へ帰りましょうね。翼が風邪でも引いたら大変だからね」 夜の闇が親子を包み、冷たい風が足元から吹いている。 夫が熟睡している事を祈りつつ部屋の中に入ると、大きな鼾が響き渡っていた。 .
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