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その顔をくしゃくしゃにしながら、体を捻らせて泣き声を上げる我が子に、そっと声を掛ける。
「赤ちゃんは、泣くのが仕事なんだもんね。だから、翼は、何も気にしないで良いのよ」
抱きしめた手を揺らしながらあやすと、泣き声が少しずつ小さくなっていく。
「……さぁ、そろそろお家へ帰りましょうね。翼が風邪でも引いたら大変だからね」
夜の闇が親子を包み、冷たい風が足元から吹いている。
夫が熟睡している事を祈りつつ部屋の中に入ると、大きな鼾が響き渡っていた。
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