第6章 火遊び

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. 恵の腕の中の翼はまだ何も分からない赤ん坊であったが、悲しそうな母の姿を見つめながら、悲しい気持ちに包まれていた。 (ママ、僕が大きくなったら、きっとママを助けてあげるからね!) そんな気持ちが強くなり、母親を泣かせている事に対して怒りが込み上げてくるのだった。 「……ごめんね、翼君。ママは泣き虫になっちゃったみたい」 必死で涙を堪える恵は、まだ茂の事を信じていた。 .
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