4人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺は、お前達が全国の決勝で戦ったチームのOBでな。試合を見させてもらったんだよ。あの時のお前達ならこの試合も勝てるだろう。やつらを見下すのはやめろ!やつらの方が上だと思って戦え!あの時のお前達みたいにな。」
そう言葉を残し、佐取は自分のボジションへ戻っていった。
そして、他の選手も自分のボジションに戻る。マウンドには良太と東次郎が残された。
「東次郎、お前は強気のリードを頼む。」
「良太、お前は全力投球を頼む。」
2人は右手の拳を合わせ、東次郎はボジションに戻り、良太はマウンドをならし始めた。
ワンナウト、ランナーなし。
バッターは5番の藤ヶ谷。
良太は内角低めのサインに頷き、ボールを投じる。
藤ヶ谷はバットを出し、ボールをレフト方向へ運ぶ。
ショートの長野がボールに飛び付く。
しかし、ボールは長野のグローブを弾き、レフト前ヒットになった。
「すまん!次はぜってー取る。」
長野はそう言い、良太にボールを返す。
6番の千賀。
内角高めのツーシームをセンター方向へ放つ。大きなフライとなり、佐取がボールを取る。ツーアウトランナー一塁。
最初のコメントを投稿しよう!