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星花高校は神奈川県にある公立高校である。
学力、部活動ともに目立った成績はない。
野球部は創立時からある部活動で10年前に甲子園大会に出場し、2回戦出場の成績がある。
ここ3年間は1回戦で負けるほどお世辞にも強いといえない。
こんな学校に名プレイヤーが本当にいるのだろうか。
良太は校舎を見つめながらそう思った。
ちょうど授業が終了した生徒たちが部活動の真っ最中だった。
体育館では、バスケットボールやバレーボール、外ではテニスやサッカー部が活動していた。
そして、校庭の一番奥で野球部が練習していた。
人数は5人くらいしかいないように見える。
近づいてみて人数がはっきりした。
6人だった。
しかし、その6人の中には、女子生徒が一人と、顧問らしき人をいれて6人だった。
選手は4人しかいなかった。
少なくとも9人は必要な野球で5人も足りていない。
良太と東次郎合わせても3人も足りなかった。
そんなことを考えながら練習を見ていたら顧問らしき人に話をかけられた。
「君たちはうちの生徒じゃなさそうだが?」
「あ、俺達中学生です。野球部を見学に来たんですけど・・・」
そう言った途端、一人の生徒が走ってこっちにやってきた。
「おーおー!是非入ってくれ!君達が入ってくれれば9人になるんだ!」
良太と東次郎は?マークが出ていた。
顧問が無理な勧誘を止めるべく、”佐取、あまり無理に勧誘するな”と言っていて、その佐取という人物が言っていることがよくわからなかった。
自分達を入れ3人足らないはずなのに、9人になるとはどういうことなのか。
「あのー、部員が4人しか見当たらないんですが・・・?」
「あぁ、1人は補講を受けてて、2人は欠席だ」
良太と東次郎を加えて9人のギリギリだった。
マネージャーに案内されベンチに座り練習を見た。
最初はノックだった。
先程の佐取という選手は足が速く、守備範囲が広かった。
次はバッティングだった。佐取は左打席に立ち流し打ちがとてもうまかった。
他の選手は守備、バッティングともにそこそここなしていた。
練習が一通り終わり、顧問の指示で二人はピッチングをすることになった。
東次郎を立たせて良太は肩慣らしを始める。
肩があったまったところで東次郎を座らせて軽く投球練習を始める。
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