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そうして散々泣いた後、ようやく末姫は顔を上げました。美しい顔は血塗れで、元の優しかった表情を忘れてしまった程の恐ろしい形相で、彼女は王さまやお妃さま、兵士達を順に睨み付けていくと、地の底から響くような声音で言ったのです。
――……呪ってやる。この国を、貴様達の全てを、未来永劫呪ってやる。これよりこの国には三人の姫君しか生まれない。そして末姫はかならずや私と同じ運命を辿るだろう――!!
背筋の凍るような高笑いの末、姫君は木こりに突き立てられていた剣を引き抜くと、自ら首を掻き切り息絶えたのでした……。
美しかった顔に、その頬に、限りなく澄んだ泪の筋を残して――。
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