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ところが、少し迷った素振りを見せた末姫が紹介してくれたのは、城下町の森に住むみすぼらしい姿の木こりだったのです。
末姫が木こりをお城に連れてきたのを見た王さまは、期待はずれが大きかったのと、よりによって庶民どころかみすぼらしい風体の木こりに、大変激怒してしまいました。
それでも末姫は必死になって王さまを説得しようとします。木こりがどんなに優しく、素晴らしい心の持ち主であるのか、ありったけの想いを込めて――。
しかし説得もむなしく、王さまの怒りを買った木こりは末姫の目の前で無惨にも処刑されてしまったのです。
末姫は、あまりの処遇に泣き叫びました。
愛しい男性(ひと)の亡骸にすがり、血塗れになって、処刑した兵士達の制止も聞かずに――。
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