―御伽噺―

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 それからというもの、王国には末姫が吐いた恐ろしい呪い通り、三人の姫君しか生まれなくなってしまいました。  末姫は、かならず“彼女”にそっくりの美しい少女。  最初こそ、先代の王様にかけられた呪いを信じていなかった歴代の国王達も、末姫の辿る道を目の当たりにして、絶望と恐怖に襲われました。  なかなか選んでくれなかった結婚相手を、末姫はよりにもよって、やはりみすぼらしい風体の木こりと決めていたのですから。  王さまはすぐさま反対しました。木こりは国外へ追いやられ、末姫は哀しみのあまり原因不明の病気にかかり、呆気なく亡くなってしまわれたのです。
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