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どんなに頑張っても王国には三人の姫君しか生まれず、跡継ぎもなく更に噂のせいで姉姫達まで呪われているのだと、嫁ぐ相手も見つからなくなって、最後にはかつての、繁栄の跡だけを残したお城だけがひっそりと残りました。
――やがて、いつしかその廃城には、独り美しい姫君が佇むようになりました。
“彼女”は村人達から、かつて残酷な、哀しい運命を辿るしかなかった末姫達の想いが形に成った、全ての記憶をその身に宿した、廃城の記憶姫と呼ばれました。
“彼女”は時折、崩れつつあるお城を哀しそうに見上げます。
一体、なにを思っているのかと、村人達も気の毒そうに、しかし遠巻きに見詰めます。
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