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翼には知っておいて欲しかった。
「病院……、ついて行くから行くぞ」
「大丈夫だって、こんくらい。心配しすぎだよ……」
夢が咳をしたりすると、翼の瞳は不安の色で曇る。
だから出来るだけ風邪は引かないように気をつけた。
翼は母以上に夢を気にかけている。夢が驚くほどに。
「ダメだ。今日は行くからな」
有無を言わさぬ口調で翼が言った。
仕方なく夢は頷く。
前も同じように病院に連れて行かれた。
……ただの風邪だったけど。
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