第3章 病状

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 翼には知っておいて欲しかった。 「病院……、ついて行くから行くぞ」 「大丈夫だって、こんくらい。心配しすぎだよ……」  夢が咳をしたりすると、翼の瞳は不安の色で曇る。  だから出来るだけ風邪は引かないように気をつけた。  翼は母以上に夢を気にかけている。夢が驚くほどに。 「ダメだ。今日は行くからな」  有無を言わさぬ口調で翼が言った。  仕方なく夢は頷く。  前も同じように病院に連れて行かれた。  ……ただの風邪だったけど。
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