序 章 自分の正体

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いつも通り賑やかな教室。 特に変わったことはなく、今日も平和だ。 高校1年の花川百合亜(はなかわゆりあ)は茶色の長いポニーテールを揺らして、友達と雑談していた。 大きい黄色の瞳はカラコンではなく本物。 美人より可愛いという言葉が合う可憐なオーラを纏った女の子。 色が白く、薄めの唇は桃色。 でも見た目とは違い、強気な一面もある。 「でさー……、……うぐっ……!!」 友達の顔が苦痛に歪んだ。 何が起きたのか分からず、ただ目を見開いて黙り込む。 友達が机に倒れ込んだ。 ハッとなり、教室を見回すと、ほとんどの生徒が血を流して倒れていた。
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