序 章 自分の正体

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「あー……、煩いやつだ。取りあえず『百合王国』に戻るぞ。王が待っている」 「はぁ!?ちょっと、ちゃんと説明してよっ!!」 「行けば分かるっ!!」 「分からないから言ってるのよっ!!」 言い争いが始まった。 どちらもキレる寸前。 いつも穏やかな百合亜が、ここまでになるのは珍しい。それほど混乱しているのかもしれない。 女性は面倒くさがりな所もあるようだ。 荒々しく頭を掻いている。 また百合亜が口を開こうとした時、男性が教室に入ってきた。 彼もかなりの美形だ。紺色の髪に黄色い瞳。 中性的な顔立ちだ。女か男か分かりにくい。服から見て男だろう。
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