1人が本棚に入れています
本棚に追加
ガラッ
「はよー・・・。」
「奏多ーどーよ、これ!」
挨拶もなしに裕太が話してきた。
「テンション高けーよ…。つか、お前笑えるぞ、その髪。」
「ばか。『いいなー』の間違いだろっ!てか、金カッコ良くね?」
「うん。いいね。似合ってるよ。ばかみたいで。」
そう言い終えると、俺は柄にもなく大声で笑った。
「ひでーなぁ。まぁ、奏多は顔がいーから、髪なんて気にしなくてもモテるし…。あー奏多になりてぇな
」
そう言うと裕太は俺の顔をひっぱったり触ったりしていた。
そのときの裕太の表情があの子にそっくりで俺は重ねてしまった。
「奏多!」
ハッとして前を見ると裕太が不安そうな顔をして立っていた。
裕太が真剣な顔で
「奏多。もう考えちゃダメだ。お前までいなくなったら…」
「考えてないよ。もう、忘れた。」
俺は裕太の言葉を遮ってフッと笑って、誤魔化した。
最初のコメントを投稿しよう!