1人が本棚に入れています
本棚に追加
キーンコーンカーンコーン・・・・
「おーい、席につけー。」
担任の声が響く。
けれど、俺は窓の外をぼーっとみていた。
担任の話は無駄が多いから。
「えーっと、ホームルームの前に転校生を紹介する。入れ。」
担任が、手招きすると、その子は入ってきた。
「転校生の園川だ。・・・・一言あるか?」
「園川晴香です。よろしくお願いします」
「園川の席は桜木の隣な。」
「はい」
転校生の隣か…
面倒だな。そうおもった。
コツコツコツ・・・
園川が椅子を引き、座ったときに
顔も見ずに「よろしく」と肯定的に言った。
園川は少し慌てたように
「よろしくね。桜木くん。」
と言って笑った。
その声に驚いて振り向くと、
その時見た、園川は俺がどうしても忘れられない……
あの子にそっくりだった。
長い黒髪
整った顔立ち
低い身長
笑った顔
でも、何より
俺の名前を呼ぶ声が……
キミに似ていたんだ。
最初のコメントを投稿しよう!