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「これが最後だ」
全身が朱色の光に覆われている勇者の一撃
数々の戦いをサポートしてきた仲間たちはその最後の一撃が魔王に届いた瞬間に生じた閃光によって目を細め、闘いの結末を見届ける
薄暗い部屋を真っ白な空間にしていた光も弱まり元の薄暗さが戻った頃、勇者と魔王の勝敗が彼らに届いた。
負けを悟ったのだろうか
赤い炎によって燃え上がる魔王は高らかに笑いながら消えていった。
そして、残るは髪、皮膚、そして目の色までも真っ白に染まった勇者
これまで強敵を幾度も倒すために使用した朱色の光はとうとう勇者の命をも奪い去った。
勇者は灰となり風と共に消えていった。
勇者のパーティーはただただ立ち尽くすのみであった。
これが勇者と魔王の物語の終焉であった。
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