415人が本棚に入れています
本棚に追加
「えっと、寺坂光夜です。得意な事はサッカーとかだ。みんな、よろしく!」
「「「「キャーーー!!」」」」
コウが言い終わると同時に女子たちからは黄色い声が飛ぶ。
反対に男子たちからは嫉妬の視線が刺さる。
そして次々と自己紹介が終わっていき次は俺の番となった。
「えーっと、神夜刃です。得意な事は特にありません」
俺が自己紹介をしているときにクラス中からヒソヒソと話している声が聞こえてきた。
(ねぇ、ねぇ、あの人オタクっぽいよね)
(あっ、それ私も思った)
ふむ、どうやら俺がオタクだと勘違いをされているようだ。
弁明しなければ。
そう思って俺が口を開いたときだった。
――バンッ!!
扉が勢いよく開かれクラスの皆は何事かと顔を向ける。
そして、扉を勢いよく開けた人物は堂々と入ってくるなり叫んだ。
「ここに私の愛しき婚約者、神夜刃いるわよね!?」
はい、その通り。生徒会長さんこと鈴蘭氷華さんでした。
そして今度は俺にクラスの視線が刺さってくる。
紫之宮さんなんて、なんかとてつもないショックを受けたときみたいに固まってるんだけど。
「そこね……」
会長さんはそう言うとニヤァと笑いながら近づいて来た。
最初のコメントを投稿しよう!