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よ、よし他人のふりをしよう。
「久しぶりね刃ちゃん。昔と比べると随分変わったようだけど」
「だ、誰ですかあなたは?僕は確かに神夜刃だけどあなたが知る神夜刃は僕じゃないですよ」
「ふふっ、見た目やしゃべり方を変えようと無駄よ!私は刃ちゃんの匂い覚えてるもの!」
くっ、なんて人だ。前に会ったのは髪を伸ばしてない頃だから4、5年前の筈なのに。
「まぁ、その前髪を上にあげればわかることよ!」
そしてどんどんと俺に手を伸ばして髪に触れようとしたときだった。
「ちょっと待ってください!」
さっきまで硬直していた紫之宮さんがバンッと机を叩き立ち上がり会長さんを静止させた。
「生徒会長さん!神夜くんが違うって言うんだから人違いじゃないんですか!?」
「いいえ、彼の声、彼の匂いすべてが目の前の神夜刃と一致するわ!…それにあなた何かを知ってそうね」
「くっ……そ、それは」
「まぁ、いいわ」
会長さんはそう言うと俺に視線を戻して話す。
「もし、あなたが刃ちゃんじゃないのなら『あの写真』を校内中にばらまいてもいいわよね」
『あの写真』だとっ!くそっ、こいつまだ持ってやがったのか!
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