入学式…それは後の高校生活を天国か地獄を分ける場所

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「あ、あの先ほどは助けていただき本当にありがとうございました!」 「ああ、良いって」 この子本当に礼儀正しすぎたろ。 ふと俺がそう思っていると彼女はポケットからハンカチを出して近づいて来た。 おおっ、なんだ? 「あの、頬から血が」 「ん?」 彼女に言われ触ってみると確かに血が出ていた。 さっきわざと受けたときに傷ついたやつだな。 「よかったらこれ使ってください。…それは差し上げますので。では私はこれで」 彼女は俺にハンカチを渡すとそう言ってペコリとお礼をし走っていった。 どうしようか、このハンカチ……。 そんなときだった俺の背中を叩くやつがいた。 こいつはいじっておこうかな……。 「よっ、刃!元気か?」 「えぇと、確か……橋山だっけ?」 「違ぇよ!お前の大親友、寺坂光夜(テラサカコウヤ)だろうが!」 「分かってるよ、冗談だ冗談。コウ、もうちょっと静かにしてくれないか?」 はぁ、全くうるさいやつだ。コウは中学一年からの付き合いでずっと同じクラスだったんだ。中学のときから前髪伸ばしてたからオタク呼ばわりされて1人だった俺に話しかけてくれたのはコウだった。まぁ、この話は置いといて。 まさか高校も同じになるとは思いもよらなかったぞ。
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