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すると
「ギュッ」
何かが俺を抱き締めた。
誰……?
もしかして君…?
体を動かそうと思っても、何故か動かなかった。
でも温もりだけは確かに感じた。
「聞いて。」
「え…?」
大好きな君の声が耳を擽るような感じで聞こえてきた。
「私、あなたと居てすごく幸せだった。
でもこんなことになっちゃって…。
あなたは悲しいかもしれない。
けど…私はそんなことないの。
だからと言ってあなたが嫌いになったわけじゃないわ。
多分、もうやり残すことがなくなったの。
毎日沢山喋って、笑ったりして…。充分満喫出来た。
ごめんね。こんな身勝手な理由で…。
ただ、これだけはお願い。
“私の分まで生きて”」
そこで声は消えた。
体も自由に動かせる。
温もりも……もうない。
何だったんだ?
今の……。
多分今、成仏したのかな?
にしても、本当に身勝手。
いつもそう。
自分のやりたいことばっかりやって、人を振り回して…。
でも俺は…そんな君が好きだった。
俺、約束守るよ。
君の分まで、俺が精一杯に生きる。
またーーー会えたら良いな。
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