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今日は雨。 雨の日はいつもあの日を思い出す。 ……… 一年前 「あぁー疲れた。」 今は友達とのカラオケの帰り道。 歌いすぎて、喉が痛い。 すると 「ゴロゴロ」 雷が鳴った。 俺は空を見上げる。 空は雲に覆われ、時々雷で空が光る。 早く帰んないと傘持ってきてないし…。 俺が足を早めたその時 「ポツ…ポツ……ザーザー」 雨が降ってきた。 ヤバっ! 家からはまだ遠いし、走るのも…。 そう思った俺は近くにあったシャッターの閉まった店まで走る。 「最悪…。」 雨はどんどんきつくなってきて、止む気配がない。 その時 「傘貸しましょうか?」 君に声をかけられた。 「ありがとうございま…」 俺は君を見て、言葉を止めた。 何故なら、目を惹かれたから。 傘を貸してくれたその人はとても綺麗だった。 「あの…どうかしましたか…?」 「あっ、いえ!何でも…。」 あなたに見とれてました…なんて、ドラマみたいなセリフを言う勇気は俺にはない。 「では失礼しますね。」 彼女はそう言うと後ろを向いて歩き出す。 このまま見送って良いんだろうか? でも、もしかしたらもう会えないかもしれない。 ならーー 「あの!」 ここから君との物語が動き始めたんだ。
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