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「先生、質問良いですか?」
私は先生が居る準備室へとやってきた。
中は先生の好きな珈琲の匂いが漂う。
「はい。良いですよ」
眼鏡の奥から私を見つめる瞳に思わずドキッとしてしまう。
そのまま私と先生は数秒間見つめ合った。
「なぁ……」
先生はそれだけ言うと私に抱きついてきた。
ふわっと先生のシャンプーの匂いがした。
やっぱり、まだ慣れない。
「はぁ……落ち着く」
先生は私の胸の辺りで頬擦りをする。
「せ、先生!セクハラですよ!」
「付き合ってるんだから良いじゃん」
私と先生は恋人同士。
でも、こんな学校の中で堂々とし過ぎていると思う。
でも、本当は凄く嬉しかったりする。
「だ、誰か来たらどうするんですか!」
「良いじゃん。見せつけてやれば」
先生は平然とした表情で言う。
「駄目です!」
私は無理矢理引き剥がそうとするが、なかなか先生は離れてくれない。
「嫌?俺のこと」
上目遣いをする先生。
「嫌じゃないですけど……」
嫌いだったら、こんな風にわざわざ質問しに来ない。
会いたいから、好きだから来るんだ。
「それなら良いでしょ」
先生はそう言うと私にキスをした。
不意打ちにも程がある。
「せ、せ……!」
驚きのあまり、言葉が出ない。
「顔真っ赤にして可愛い」
「可愛くありません!」
こんな私と先生の秘密の関係。
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