17人が本棚に入れています
本棚に追加
「今から手当てするから、暫く大人しくしていなさい。」
彼女はそう言うと、どこからか救急箱を取り出して手当てを始める。
あんなの一体どこから出してきたんだよ。
「痛って!」
いきなり俺は叫んでしまった。
傷に消毒液塗られたらしみるだろ!
「うるさい。静かにしなさい。」
彼女はピシャリと言う。
そんな事言われたって痛いんだよ!
「……はい。終わったわよ。」
え!?もう!?
僕は思わず足を見る。
そこには綺麗に治療された痕が。
「はやっ!ありがとう!」
俺は彼女に向かって笑顔を向けた。
「べっ、別にお礼されるような事じゃないわよ!」
彼女は顔を赤くする。
初めて見る彼女の表情に俺はドキッとしてしまう。
「じゃあ私行くから。」
彼女はそれだけ言うと去っていった。
俺はただジッとその姿を見送る。
何なんだよ。
この胸の高鳴り。
心から、ドンドン体まで熱くなっていく。
これじゃあ俺があいつに恋したみたいじゃねぇか。
最初のコメントを投稿しよう!