クーデレ

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「今から手当てするから、暫く大人しくしていなさい。」 彼女はそう言うと、どこからか救急箱を取り出して手当てを始める。 あんなの一体どこから出してきたんだよ。 「痛って!」 いきなり俺は叫んでしまった。 傷に消毒液塗られたらしみるだろ! 「うるさい。静かにしなさい。」 彼女はピシャリと言う。 そんな事言われたって痛いんだよ! 「……はい。終わったわよ。」 え!?もう!? 僕は思わず足を見る。 そこには綺麗に治療された痕が。 「はやっ!ありがとう!」 俺は彼女に向かって笑顔を向けた。 「べっ、別にお礼されるような事じゃないわよ!」 彼女は顔を赤くする。 初めて見る彼女の表情に俺はドキッとしてしまう。 「じゃあ私行くから。」 彼女はそれだけ言うと去っていった。 俺はただジッとその姿を見送る。 何なんだよ。 この胸の高鳴り。 心から、ドンドン体まで熱くなっていく。 これじゃあ俺があいつに恋したみたいじゃねぇか。
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