記憶さようなら

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ラウンドワンのUFOキャッチャーで騒ぎ、ラウンドワンを後にした。 まだ12時を回ったところでお互いのお腹は小さくだが鳴っていた。 「お昼、どうする?」 撮ったプリを眺める紫音に聞く。 「マックは?」 「いいね」 「ねぇ、手ぐらい繋ごう?」 目を合わせずに紫音は俺の服を引っ張る。 「そうだね」 手を繋ぐとお互い、恥ずかしいのと照れて口を開かなくなってしまった。 今まで付き合った女子と比べるのはひどいけど、紫音といる方が楽だ。 「紫音が彼女で良かった」 「え?」 「幸せだよってこと」 「………うん」 握った手に力が入る。 それに答えるかのように紫音は握り返してくれる。 二人で歩いていると目的地に着くのはあっという間。 マックに入るとレジに行く紫音。 「ダブルチーズのセット‥「月見バーガー。会計は一緒で」 「結斗…」 「デートの時は俺におごらせて」 「お飲み物は」 「コーラで」 「それではしばらくお待ちください」 ニコッ0円のスマイルを店員が俺らに向ける。 5分待たずして、注文したセットが出てくる。 「ここでいい?」 丁度良く、空いていたふたり用のテーブルに座る。 「いただきます」 ポテト一本を食べると紫音は笑顔になる。 「美味しい」 「そう?」 「ふふっ」 少しモグモグさせながら笑う紫音。 俺らはたわいのない会話をしながら昼食を終える。
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