1人が本棚に入れています
本棚に追加
ラウンドワンのUFOキャッチャーで騒ぎ、ラウンドワンを後にした。
まだ12時を回ったところでお互いのお腹は小さくだが鳴っていた。
「お昼、どうする?」
撮ったプリを眺める紫音に聞く。
「マックは?」
「いいね」
「ねぇ、手ぐらい繋ごう?」
目を合わせずに紫音は俺の服を引っ張る。
「そうだね」
手を繋ぐとお互い、恥ずかしいのと照れて口を開かなくなってしまった。
今まで付き合った女子と比べるのはひどいけど、紫音といる方が楽だ。
「紫音が彼女で良かった」
「え?」
「幸せだよってこと」
「………うん」
握った手に力が入る。
それに答えるかのように紫音は握り返してくれる。
二人で歩いていると目的地に着くのはあっという間。
マックに入るとレジに行く紫音。
「ダブルチーズのセット‥「月見バーガー。会計は一緒で」
「結斗…」
「デートの時は俺におごらせて」
「お飲み物は」
「コーラで」
「それではしばらくお待ちください」
ニコッ0円のスマイルを店員が俺らに向ける。
5分待たずして、注文したセットが出てくる。
「ここでいい?」
丁度良く、空いていたふたり用のテーブルに座る。
「いただきます」
ポテト一本を食べると紫音は笑顔になる。
「美味しい」
「そう?」
「ふふっ」
少しモグモグさせながら笑う紫音。
俺らはたわいのない会話をしながら昼食を終える。
最初のコメントを投稿しよう!