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一人の少年が町外れの教会に訪れた
薄汚れていて、頬が痩けている。服装もボロボロの布切れだ
どこからか拾ってきた靴を履いているが、穴が開いているしサイズも一回り…いや、二回り大きくて歩く度にガポガポと音がする
こんな子供は珍しくはない
きっと、この町の一部で【サルバ区域】という廃虚と化した所から来たのだろう
あそこは日の影。町に見捨てられた区域だ
「…神父、様」
女神の像の前に立ち、神父を探す少年
その声に差別なく返答する神父
「ここだよ、少年よ」
振り返れば、少年が入ってきた出入口の扉を開けて入って来る神父
丁度、帰ってきた所のようだった
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