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「玲奈、実はな・・俺、旅に出ようと思うんだ。世界を見てみたいって考えてるんだけど・・・」
俺は玲奈の頭を撫でながら返事を待つ。
玲奈の髪はサラサラだな。
「えっ?お兄ちゃんはここを出るんですか?」
「そうなるな。」
俺の小さい頃からの夢。
そして、俺の両親の夢を引き継ぐんだ。
旅行好きの両親は俺が小さい頃に事故で亡くなった。
今は詳しいことは話さないがいずれ玲奈にも話さないとな。
ウルッ
「れっ玲奈!?」
「やだぁ、また一人になりたくないです。お兄ちゃんと・・お兄ちゃんと・・・一緒が・・・・いいです。」
玲奈・・でも俺は・・・。
「大丈夫。すぐに帰ってくるよ。それに玲奈は一人じゃないよ。
師匠に頼んだから、一緒に暮らしてもらえるようにって。」
止めどなく溢れる涙を指で受け止める。
「・・・玲奈も・玲奈も一緒に・・行きます。
お兄ちゃんの邪魔しません。寝るところも食べ物も文句言いませんからぁ。」
「でも危険な「大丈夫です!」」
玲奈の大きな目が真っ直ぐ見つめてくる。
「・・・わかった。早く準備してきてくれ。」
「はいっ。」
輝くほどの笑顔を見せる。
俺は玲奈に甘いのかな。
「すぐに用意してきます。」
そう言って玲奈は俺の上から退いて奥へと走って行った。
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