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なんとか、ブリスタ帝国船を振り切った後。
ロム港を出発し、探険航海7日目の早朝に見張りのズレンが大声をあげた。
「陸だ。みんな起きろー!」
待ちに待った、新航路の第1島到達だった。
「待ってたぜ!行くぞ野郎共。ガスターも来いよ。」
エバートンは子供のようにはしゃいでいる。
数日だらだら過ごしていたが、いよいよエバートンの本領発揮だった。
早速エバートンを筆頭に無理矢理参加させられたガスターを入れて、8人の偵察班が出発した。
エバートンは真っ先に行かないと気が済まない男だ。
エバートン率いる海兵隊の部下6人も、20歳前後の活きのいい男達だ。
それぞれ得意な武器を手に、未知の島に歩みをすすめる。
緑が濃い島だったので、交易できそうな町はなさそうだった。
それでも果実などの新鮮な食料や家畜、水だけでも十分だ。
あわよくば、珍しい動植物を捕まえられれば、何らかの商品になるかもしれなかった。
そしてなにより、ガスターという有能な航海士がいるため、かなりの精度の海図ができる。
つまり有望な島が見つかりさえすれば、何度でも来られるのだ。
海図にはその正確性が、航海では再現性が重要であった。
森は、丈が高く、密度の高い緑で視界が効かなかった。
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