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軍が紛争を始めていた頃。
一般市民はまだその事実をしらず、エバートン達、ハープ号の船員達はパシフィック海の探検航海に乗り出していた。
探検航海1日目は食料、ビール、ラム酒、交易用の綿製品、資金を満載して出航した。
出航前、ロム港では、コッカー船長を筆頭に、航法に詳しい航海士のガスター、金庫番たる主計士のジム、その他の士官達で闇市場のグラモ地下街を訪れた。
なぜ闇市かというと、例えば、今回目当ての海図は原則国家機密であり、売買が禁止されており、正規の店では買えないのだ。
その他にも、麻薬や規制品も売り買いされていた。
そこは、かなり賑わいがあり、かつ騙し騙されのシビアな世界だった。
荒くれ者の船員が客とあって、売人も堅気ではなく、犯罪者崩れ、もしくは犯罪者そのものが相手になる危ない場所でもあった。
本来なら副船長であり、戦闘専門の海兵隊長のエバートンが護衛すべきだが、、ガスターとジム以外は皆、腕自慢だったので、その必要がなかった。
むしろエバートンは、
「ガスター、そっちは任せた。船長、俺は別ルートで情報収集にいってきます。」
と船医のメディなど、酒好きの面々と、海兵隊の部下を引き連れて、町のどこかへ、いや間違いなく酒場へと消えていった。
居残りの船番達に、
「お土産は任せろ」
と息巻いていた時点で、ばればれではあったが。
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