- 鉄の砂漠 -

23/40
前へ
/1071ページ
次へ
少女が取り出した武器は薙刀。 青色の柄は長く、刃の付け根の部分には小さな刃がいくつかついていた。 少女はくるりと薙刀を回すと洋介達を見る。 いや、見下すと言った方が正しいか。 少女の瞳は冷たかった。 「…邪魔……」 呟くように言った言葉は更に冷たく棘をさすようだった。 洋介達はすぐさま後ろに下がる。 敵との距離は残り200メートル程度。 呑まれれば命はないだろう。 洋介は少女を見つめる。 背は小さく華奢な身体。 微塵も強さを感じない。 洋介は心配になり、サリエルを見る。 サリエルは大丈夫と声には出さなかったが口を動かした。
/1071ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1480人が本棚に入れています
本棚に追加