欲情

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「俺の車、そんなにいいにおいするか?」 俺の様子を見かねて帝さんがそう言った。 どうやら知らない間に深呼吸してたみたいだ。 帝さんが嬉しそうに微笑んだ。 俺、帝さんの笑った顔が好きです。 いつもそんなに笑わなくて、たまに笑うその顔が俺を安心させる。 帝さんが笑うとつられるように微笑んでしまう。 すると、するりと頬に手がのびてくる。その手にすりよるようにからだが勝手に動いた。 優しくて温かい大きな手は俺を引き寄せた。 キスされると思って目を閉じ、唇が触れるのを待つ。
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