彼女の本音の本音

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「――ばき、つばき」 気ダルい体が揺らされているのが分かり、毛布を頭まで被りながら目を開ける。 眠い、頭痛い…、布団柔らかいなぁ。まだ寝てたいんだから眠らせてよ。 「起きろって」 「う、わ…!」 思いっきり布団を剥がされ、眩しい光に目を細めながら周りを見渡す。 ……此処、何処? 慌てて起き上がると、其処は思いっきり知らない場所。 「やっと起きた?」 ベッドが沈んだのを感じて私は声の方を見る。シーツが擦れた音が伴ってきて、ベッドがまた沈む。 ミルクティー色のどこか柔かそうな髪と鼻が高い横顔は見覚えがある。 「まひろ、…さん?」 「ん、おはよう」 目尻を下げて、ゆっくりと微笑むその顔は紛れもなく真尋(マヒロ)さんだった。 真尋さんは私がバイトしているカフェの常連さんで、毎週木曜日の夕方に来てる。 身長が高く、ミルクティー色の目を引くふわふわの髪、二重の端正な顔立ちをしてる真尋さんはカフェではちょっとした有名人だった。 そんな真尋さんがどうして此処に…?
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